工場や倉庫の屋上における 塩ビシート防水の特徴と施工方法とは

屋上における 塩ビシート防水の特徴と施工方法とは

屋根・外壁以外にも雨漏りする可能性が高いのが、屋上からの雨漏り。

水の侵入を防ぐ塩ビシートを利用している管理者の方も多いのではないでしょうか。

工場や倉庫、ビルを管理している担当者の方で、屋上の塩ビシート防水を検討している方に、

今回は、「屋上防水工事 塩ビシート防水の特徴と施工方法」をご紹介します。

目次

塩ビシート防水とは?

塩ビシート防水は、塩化ビニールやゴム製のシートを専用の接着剤や機械で施工箇所に固定し、水の侵入を防ぐ工事です。

塩化ビニル樹脂はプラスチックの一種で、耐久性や耐候性に優れているため、屋上やベランダなどの屋外防水に適しています。

塩ビシート防水の特徴

塩ビシート防水は、屋上防水に適しているとご紹介しましたが、どのような特徴があるのでしょうか。

  • 工場で生産された防水シートを使うため品質が一定
  • 既存防水層の凸凹の影響を比較的受けにくい材料
  • 施工時の天候に左右されないため、大面積の屋上・短期間の施工に向いている
  • 施工時の美しい状態を維持しやすい防水材料
  • 単層防水のため施工が速く、低コスト
  • 軽量なため施工がしやすく、建物への荷重負担が少ない
  • シートの接合部は、熱融着または溶剤溶着できるため水密性が高い
  • 耐摩耗性に優れているため、保護層なしで軽歩行が可能

塩ビシート防水には、このような特徴があります。

メリットとデメリットもまとめてご紹介します。

塩ビシート防水のメリット

  • 耐久性に優れている
  • 施工が容易でコストが安い
  • 軽量で建物への負担が少ない

塩ビシート防水のデメリット

  • 火災に弱い
  • 複雑な形状の場所や狭い場所には向かない
  • 熱による変形や収縮が発生することがある

塩ビシート防水の耐用年数は約10年〜20年で、他の防水工法と比べても長期間の使用が可能です。

塩ビシート防水の施工単価は、5,000円〜7,000円/㎡が一般的な目安となり、FRP防水やウレタン防水よりも高くなります。
しかし、耐用年数が長いため、コストパフォーマンスに優れているといえるでしょう。

塩ビシート防水は、耐久性に優れ、施工が容易でコストが安いため、多くの建物で採用されている防水工法です。

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塩ビシート防水の施工方法

塩ビシートを躯体に固定する方法の違いによって、2つの工法があります。

既存防水層を撤去しない被せ工法で改修する場合は、機械的固定方法を選択することが一般的です。

1.   密着工法

シートを接着剤で下地に密着させる工法です。シートが下地に直接密着するため、耐風圧性に優れています

接着する際、シートが拠れたり、空気が入り込みやすいので、ある程度の人数で施工します。

下地や既存防水層から水蒸気の発生が懸念される場合は、通気シートを使用します。

そのため、機械的固定工法に比べて施工に手間が掛かります。

密着工法の施工手順

  • 下地の清掃
    下地の乾燥の確認後、砂や塵埃、レイタンスなどを取り除きます。
  • 下地の処理
    下地との接着力強化のため、プライマーや樹脂モルタルなどを均一に塗布します。
  • 接着剤の塗布
    下地に接着剤を塗布します。
  • シートの貼り付け
    シートを下地に貼り付けます。
  • シートの接合
    シート同士を接合します。
  • 立ち上がり部の施工
    立ち上がり部にもシートを貼り付けます。
  • 接合末端部をシール
    シートの接合部分をシールします。

2.   機械的固定工法

シートを金属製の釘やビスで下地に固定する工法です。シートが下地から浮き上がるのを防ぐことができます。

固定金具を躯体に取り付ける際に、コンクリートにドリルで穴を開けるなど騒音、振動が発生します。

通気シートを使用することで、既存防水層から発生する水蒸気を脱気筒から排出します。

また、防水シートが既存防水層に密着しないため、既存防水層の凸凹などの影響を受けにくくなります

機械固定工法の施工手順

  • 下地の清掃
    下地の乾燥の確認後、砂や塵埃、レイタンスなどを取り除きます。
  • 絶縁シートの敷設
    下地に絶縁シートを敷設します。
  • 固定金具の取り付け
    下地に固定金具を取り付けます。
  • シートの貼り付け
    シートを固定金具に固定します。
  • シートの接合
    シート同士を接合します。
  • 役物周りへの成型役物の貼り付け
    役物周りに成型役物を貼り付けます。
  • 接合端末部をシール
    シートの接合部分をシールします。

塩ビシート防水の施工は、専門的な知識と技術が必要なため、信頼できる業者に依頼することが大切です。

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3.  塩ビシート防水のメンテナンス工法

塩ビシート防水の耐用年数は、約10~20年と比較的長いことが特徴ですが、
経年劣化によって以下のような症状が現れることがあります。

  • シートのひび割れ、剥がれ、破損
  • 防水層の浮き上がり
  • 排水口周りの劣化

これらの症状が現れた場合は、メンテナンス工事が必要となります。

紫外線や雨水、風などにより劣化してしまいますが、
定期的にメンテナンスすることできれいな状態を保つことが可能です。

では、メンテナンスにはどのような工法があるでしょうか。

塩ビシート防水のメンテナンス工法には、以下の2種類があります。

補修工事

シートのひび割れ、剥がれ、破損などの部分的な劣化を修繕する工事です。
シートの取り替えや、接着剤による補修などが行われます。

改修工事

既存のシート防水層を撤去し、新たに防水工事を施す工事です。
シートの劣化が激しい場合や、防水層の浮き上がりなどの大きな損傷がある場合に適しています。

塩ビシート防水のメンテナンス工事の費用は、工法や劣化の程度によって異なります。
補修工事であれば、1㎡あたり数千円から数万円程度が一般的な相場です。
改修工事の場合は、1㎡あたり数万円から十数万円程度が相場となります。

塩ビシート防水の劣化は、定期的な点検や毎日の清掃作業によって異常の早期発見や悪化の遅延が可能です。
塩ビシートの全体的な剥がれやめくれが発生すると、撤去工法で防水工事全てをやり直す必要があります。
定期的に点検をし、劣化等を早く発見メンテナンスすることが大切ですね。

屋上の状況や面積などによって、適切な工法を選択することが大切です。
工法によってメンテナンス方法も異なりますので、今回の内容を参考にしながら点検を行っていきましょう。

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雨漏りの改修工事などの外装工事を多数経験してきました。

また、「工場・倉庫」は企業活動の施設ですので、防水工事についても最善の方法をご提案しております。

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