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工場や倉庫の屋根に設置した太陽光パネルは、いつか撤去や交換の時期を迎えます。
そのため、「将来はどのように処分するのか」「リサイクルは義務になるのか」と気になっている工場・倉庫オーナー様も多いのではないでしょうか。
最近では、こうした問題をまとめて「太陽光パネルの2027年問題」と呼ぶことがあります。
ただし、2027年問題は法律上の正式名称ではありません。
2026年には、太陽光パネルの廃棄抑制と再資源化を進める新しい法律が成立しました。
そこで今回は、太陽光パネルの廃棄・リサイクルをめぐる最新制度と、工場・倉庫の屋根で今から確認しておきたいポイントを解説します。
太陽光パネルの「2027年問題」とは

2030年代後半から廃棄量が増える見込み
日本では、2012年にFIT制度(固定価格買取制度)が始まり、事業用太陽光発電設備が急速に普及しました。
一方、太陽光パネルの耐久性は一般に25~30年程度とされており、FIT制度の開始後に設置された設備は、2030年代後半以降に更新や撤去の時期を迎えると見込まれています。
経済産業省と環境省は、太陽光パネルの排出量が2030年代後半以降に大きく増え、年間最大約50万トンに達する可能性があるとしています。
すべてを埋立処分した場合、最終処分場の残余容量を圧迫し、廃棄物処理全体に影響を及ぼすおそれがあります。
そのため、国は大量廃棄が本格化する前に、リユースやリサイクルを進める制度を整備しています。
2026年に新しい法律が成立
「太陽電池廃棄物の再資源化等の推進に関する法律」は、2026年5月29日に成立し、同年6月5日に公布されました。
法律の主要部分は、公布日から1年6か月以内に政令で定める日に施行されます。したがって、遅くとも2027年12月5日までに施行される予定ですが、具体的な施行日は今後の政令で決まります。
この制度の施行時期と大量廃棄問題を結び付けて、「2027年問題」と表現されることがあります。
新しい法律で何が変わるのか

すべての設備に一律のリサイクル義務がかかるわけではない
新法では、太陽光パネルを廃棄する人に対し、長期間の使用や再使用によって廃棄量を抑え、リサイクルを含む適切な処分方法を選ぶよう求めています。
また、事業用太陽光パネルを廃棄する事業者については、国が定める判断基準に沿って廃棄抑制や再資源化に取り組む仕組みが設けられます。
ただし、すべての太陽光パネルについて、一律にリサイクルを義務付ける制度ではありません。
まずは、政令で定める重量以上の事業用太陽光パネルを廃棄する「多量事業用太陽電池廃棄者」が、より強い規制の対象になります。
対象となる具体的な重量基準は、政令で決められる予定です。そのため、現時点では「何kW以上なら対象」と断定することはできません。
大量に廃棄する場合は計画の届出が必要
多量事業用太陽電池廃棄者に該当する場合、パネルを廃棄する前に、次のような内容を記載した計画を国へ届け出る必要があります。
- 廃棄するパネルの数量と重量
- 排出予定の時期と場所
- 解体・撤去工事を行う事業者
- 廃棄物の処分方法
- 処分を委託する事業者
- リサイクルしない場合の理由
計画内容が国の判断基準に照らして著しく不十分な場合には、勧告や命令の対象になる可能性があります。
また、届出義務や命令に違反した場合には、罰則も設けられています。
一方、小規模な工場・倉庫の屋根上設備が、直ちに計画届出の対象になるとは限りません。
今後公表される政令や省令を確認することが大切です。
太陽光パネルを処分するときの費用

撤去・運搬・処理の費用がかかる
工場や倉庫の太陽光パネルを処分する場合、主に次の費用が発生します。
撤去費
屋根からパネルや架台を取り外す費用です。
屋根の高さや勾配、パネルの枚数、搬出経路、安全設備の必要性によって金額が変わります。
足場や高所作業車が必要になる場合は、その費用も加わります。
運搬費
撤去したパネルをリユース事業者、リサイクル施設または処分施設まで運ぶ費用です。
処理施設までの距離、パネルの量、積載方法によって変動します。
リサイクル・処分費
太陽光パネルは、ガラス、アルミフレーム、樹脂、金属などで構成されています。
リサイクルでは、これらを分離して再資源化します。ただし、現時点では埋立処分とリサイクルの費用差が大きく、全国の処理体制も整備途中です。
そのため、処分先を選ぶ際は料金だけでなく、許可の有無や処理方法まで確認する必要があります。
なお、屋根の補修や塗り替えにかかる費用の考え方は費用について、おおよその目安を試算したい場合は見積りシミュレーションもご利用いただけます。
廃棄等費用積立制度も確認する
10kW以上のFIT・FIP認定を受けた事業用太陽光発電設備には、原則として廃棄等費用積立制度があります。
対象設備では、売電収入の一部から撤去・処分費用が積み立てられている場合があります。
ただし、積立金だけですべての費用をまかなえるとは限りません。
また、設備の認定時期や契約内容によって扱いが異なるため、資源エネルギー庁のシステムや発電事業計画、売電明細などを確認しましょう。
太陽光パネルの廃棄で注意したいこと
破損したパネルには不用意に触れない
太陽光パネルは、一部が破損していても、光が当たると発電する可能性があります。
そのため、感電事故を防ぐためにも、専門知識のない人が不用意に触れてはいけません。
また、製品によっては鉛、セレン、カドミウムなどが含まれている場合があります。
破損状況によっては有害物質が流出するおそれがあるため、メーカー情報を処理業者へ伝え、廃棄物処理法に従って適切に処理する必要があります。
廃棄する前にリユースできるか確認する
使用を終えた太陽光パネルでも、性能や安全性に問題がなければ再使用できる場合があります。
環境省のガイドラインでも、まずリユースの可能性を確認し、難しい場合にリサイクル、さらに再資源化が困難な場合に適正処分を検討する流れが示されています。
発電量が低下したからといって、すぐに廃棄と判断せず、専門業者による検査を受けることが大切です。
パネルの撤去時には屋根も点検する

パネルの下は点検しにくい
工場や倉庫の屋根に太陽光パネルを設置すると、パネルの下や架台周辺は通常の点検がしにくくなります。
パネルで覆われた部分は、雨や紫外線を直接受けにくい一方、固定金具、ボルト、シーリング材などが経年劣化している場合があります。
また、屋根材に穴を開けて架台を固定する工法では、防水処理の劣化や施工状態によって、固定部分が雨水の浸入経路になることもあります。
なお、屋根に穴を開けない工法もあるため、設置方法を確認したうえで点検する必要があります。
こうした固定部やシーリングの劣化は、パネルを載せたままでは気づきにくいため、早めの雨漏り点検・修繕が安心につながります。

再設置前に屋根の状態を確認する

古いパネルを外した直後は、これまで確認できなかった屋根面を点検できる貴重な機会です。
新しいパネルを設置する前に、次の部分を確認しましょう。
- 金属屋根のサビや腐食
- 塗膜の剥がれや色あせ
- ボルトや固定金具の緩み
- シーリング材のひび割れ
- 屋根材の変形や破損
- 雨漏りの形跡
- 排水口や雨どいの詰まり
屋根に不具合があるままパネルを再設置すると、後から補修する際に再びパネルを外さなければならない場合があります。
そのため、撤去後は塗装ありきで判断せず、屋根の状態に応じて塗装、部分補修、カバー工法、葺き替えなどを比較することが重要です。
屋根材ごとの特徴は工場・倉庫の屋根の種類、雨漏りの見分け方と対策は雨漏りの原因と対策で解説しています。
屋上のように水がたまりやすい形状なら防水工事、夏の暑さや電気代の対策も兼ねたい場合は遮熱・断熱塗料もあわせてご検討ください。
まずは屋根外壁無料診断で、屋根とパネルの現状を把握するのがおすすめです。


岡山・広島で注意したい屋根の劣化

岡山県南部や広島県南部などの山陽沿岸部は、比較的降水量が少なく、日照時間が長い地域です。
そのため、屋根は紫外線や高温の影響を受けやすくなります。
さらに、海に近い工場や倉庫では、海塩粒子が金属屋根や架台、ボルトの腐食を進めることがあります。
ただし、岡山県・広島県でも沿岸部と内陸部では環境が異なります。
建物の立地、海からの距離、屋根材、周辺環境を踏まえて劣化状況を判断しなければなりません。
紫外線や高温による屋根への負担をやわらげたい場合は、遮熱塗装の経費削減効果もあわせてご覧ください。

撤去・屋根補修・再設置をまとめて計画する
太陽光パネルの撤去、屋根の点検・補修、パネルの再設置を別々に計画すると、工程の重複や情報共有不足が起こる可能性があります。
そこで、工事前には次の点を確認しましょう。
- パネル撤去と再設置に対応できるか
- 電気工事士など必要な資格者がいるか
- 産業廃棄物を適切に処理できる体制があるか
- 屋根の補修方法を判断できるか
- パネルメーカーや施工会社の保証に影響しないか
- 撤去から再設置までの責任範囲が明確か
窓口が一社であっても、電気工事や廃棄物処理を協力会社が担当する場合があります。
大切なのは「完全自社施工」という言葉だけで判断せず、資格、許可、処理ルート、保証、過去の施工実績まで確認することです。
業者選びで確認したいポイントは業者の選び方、当社の体制や考え方は選ばれる理由や施工事例でご確認いただけます。
まとめ 太陽光パネルと工場屋根を一緒に管理しよう

太陽光パネルの廃棄量は、2030年代後半から大きく増えると予測されています。
また、2026年に成立した新法は、遅くとも2027年12月5日までに主要部分が施行される予定です。
ただし、計画届出の対象となる重量や詳しい運用方法は、今後の政令・省令で決まります。
そのため、工場・倉庫オーナー様が今すぐパネルを撤去する必要はありません。
まずは、設置時期、パネルの種類、発電状況、FIT・FIP認定、廃棄費用の積立状況を整理しておきましょう。
そして、撤去や載せ替えを検討するときは、パネルだけでなく、その下にある屋根もあわせて点検することが重要です。
岡山県・広島県で工場・倉庫の太陽光パネル撤去や屋根塗装、雨漏り修理をご検討の際は、太陽光設備と屋根の両方を確認できる専門業者へご相談ください。
ご相談からの流れは施工までの流れ、お問い合わせはお問い合わせから承っています。
屋根外壁無料診断もぜひご活用ください。
参考・根拠(公的資料)
主な根拠は、2026年6月5日に公布された法律、環境省の廃棄・リサイクルガイドライン、資源エネルギー庁の廃棄等費用積立制度です。
新法の主要部分は「公布から1年6か月以内に政令で定める日」に施行され、対象重量などは今後定められます。2030年代後半以降に年間最大約50万トンの排出が予測されていること、現在は埋立費用とリサイクル費用の差や処理体制が課題であることは、経済産業省・環境省の説明に基づいています。
太陽光パネルの耐久性、破損時の感電・有害物質への注意、山陽沿岸部の気候についても、公的資料に沿って表現を調整しています。

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