工場・倉庫は、会社の利益を生み出す設備で、稼働率向上が生産性を上げるため重要になってきます。
その中で重要なことが、屋根・外壁塗装だということをご存知でしょうか?
工場や倉庫の屋根・外壁に塗装をするのは、ただ色をつけるためだけではありません。
屋根・外壁に穴でも開かない限り、改めて塗装する必要はなさそうに思えるかもしれません。
しかし、被害が出る前に定期的に塗装することで、
コストがかかっても大きなメリットがあります。
そこで今回は、工場や倉庫の屋根・外壁塗装に注意するポイントをご紹介してまいります。
工場や倉庫の外壁塗装を検討しているという方は、ぜひ参考にしてください。
塗装の耐用年数
工場塗装を検討するタイミングとして、塗装の耐用年数を検討する必要があります。
塗装の耐用年数は塗料によって違うものの、
長くても10~15年程度で塗装の効果が薄れていくものです。
塗装が剥げた場合は見た目が悪くなる、防風・防水などの効果が得られなくなる
といったデメリットが発生します。
また、耐用年数はあくまでも目安です。
例えば、定期的に清掃しても汚れが落ちない・塗装が
剥がれてきていると感じた場合は、塗装を検討しましょう。
使用する塗料によって耐久性は変わってくるため、塗料を決める際には、
どれくらいの耐久性があるか確認しておくことが大切です。
また、小さな劣化に気付きながらも修理コストを嫌って放置してしまった場合、
地震や台風などの自然災害によって一気に破損が拡大し、製造した製品の破損、
製造機械が壊れてしまうなどといった大きな被害につながる可能性が考えられます。
そもそも、工場の屋根というものは、単なる「雨風をしのぐ」だけのものではなく、
その他にもさまざまな機能性をもたらせてくれる非常に重要な部位だと考えなければいけません。
特に屋根は、建築物の中でも最も負担の大きな部分といわれています。
常に太陽光による紫外線や風雨にさらされ、地域によっては積雪もあります。
・塗装の耐用年数は、長くても10~15年程度
・塗料決定の際には、耐久性があるか確認
・小さな劣化を見逃し放置すると、自然災害によって大きな被害につながる可能性も!
さて、ではどんなポイントに注意して塗装をすればよいでしょうか。
高い安全性の塗料
外壁は防火性能や地震に対する強度が必要です。また、外壁には工場内部に不法侵入することを防ぐためのセキュリティ対策も必要です。
- 耐久性の高い塗料を選ぶ
工場や倉庫は、通常、非常に厳しい環境条件にさらされています。
塗料は、雨水、紫外線、気候変化、化学薬品、汚れなどに対して耐久性が高く、
長期的な保護効果があるものを選ぶことが重要です。
適切な下地処理
塗料の耐久性を向上させるためには、塗装する前に適切な下地処理を行う必要があります。
下地処理には、洗浄、研磨、酸洗い、サンドブラストなどの方法があります。
下地処理を怠ると、塗料の密着性が悪くなり、剥離や割れなどのトラブルが発生する可能性があります。
塗装の効率化
大きな面積を塗装する場合は、塗料を効率的に塗布することが大切です。
ローラー、スプレー、ブラシなど、用途に合わせた塗装方法を選択し、
塗料のムラをなくすようにすることで、美しい仕上がりとともに、
消費を最小限に抑えることができます。
環境に配慮した施工
塗料には、環境に対して負荷を与える成分が含まれていることがあります。
塗装作業を行う際には、環境への配慮を考慮、適切な処理方法を選択し、
廃棄物の処理や塗料の流出を防止するなど、環境に配慮した施工を心がけることが重要です。
工場の種類別、さらに注意するポイント
では工場の種類別にさらに注意するポイントはどういった点でしょうか。
工場や倉庫内から「排気物」により、汚染の仕方が変わります。
塗装工事前に排気物に関するヒアリング・排気物に対する塗装仕様(塗料・色)の選定が重要です。
◆ 食品加工系工場・食品倉庫
食品加工工場・食品倉庫の外壁には、さらに以下の点に注意する必要があります。
- 衛生面
外壁は食品加工工場の衛生状態に大きく影響を与えます。
外壁は汚れやカビ、バクテリアの繁殖源になり得るため、清潔を保つ必要があります。
- 温度管理
外壁は建物内部の温度管理にも大きく影響します。
外壁の断熱性能が不十分な場合、外気温の影響を受けやすくなり、
室内の温度変化や温度管理に必要なエネルギー消費量の増加が懸念されます。
◆ 電子工場
電子工場の外壁を設計する際には、さらに以下の点に注意する必要があります。
- 防塵性能
電子製品の生産においては、微小な粒子が製品内部に入り込むことが非常に問題となります。
そのため、外壁は粉塵や微粒子の侵入を防ぐ性能を備えていることが求められます。
- 防水性能
雨水や湿気が工場内部に入り込むと、製品の故障や短命化を招くことがあります。
したがって、外壁は防水性能を備えていることが必要です。
- 電磁波遮蔽性能
電子製品の製造には、多くの場合電子機器が使用されています。
このような環境では、外部からの電磁波が製品内部に影響を与えることがあります。
そのため、外壁には電磁波遮蔽性能を備えていることが望ましいです。
- 耐火性能
電子工場では、製品に熱処理が必要な場合があります。
また、万が一火災が発生した場合には、周囲の建物への火災の拡大を防ぐために外壁に耐火性能が必要です。
- 耐久性
工場内部からの振動や衝撃にも強いことが必要です。
適切な振動吸収材や防振材を使用することで、周辺の住宅などに影響を与えないようにする必要があります。
◆ 機械加工工場
機械加工工場の外壁には、さらに以下の点に注意する必要があります。
- 振動対策
機械加工工場では、たくさんの機械の振動が発生するため、外壁にも振動対策が必要です。
適切な振動吸収材や防振材を使用することで、周辺の住宅などに影響を与えないようにする必要があります。
◆ 肥料・農薬などの倉庫
肥料・農薬倉庫の外壁には、さらに以下の点に注意する必要があります。
- 安全性
肥料や農薬は危険物であり、外壁は漏洩や火災などの危険性に対する防護機能が必要です。
適切な防火対策や、防漏性能を備えた外壁材料の選定が重要です。
- 衛生面
外壁は倉庫内部の衛生状態にも影響を与えます。
外壁がカビや汚れ、バクテリアの繁殖源にならないよう、適切な清掃・消毒が必要です。
- 環境性
周辺環境への影響も考慮する必要があります。
肥料や農薬の漏洩・流出を防止するため、外壁には適切な防護機能が必要です。
◆ 酒造業工場
酒造業工場の外壁には、さらに以下の点に注意する必要があります。
- 衛生面
酒造工場は、食品を生産する工場と同様、衛生面に特に注意が必要です。
醸造の麴菌による黒カビが繁殖します。
外壁の清掃・消毒や防虫・防鳥対策など、衛生管理に配慮した対策が必要です。
- 防火性
酒造工場はアルコールを扱うため、火災の危険性が高い場所です。
外壁には、耐火性の高い材料を使用したり、防火対策を施したりするなど、
防火性を考慮した設計が必要です。
- 耐久性
酸性やアルカリ性の高い洗浄剤など、
酒造工程で使用される薬品の影響にも耐えられる耐久性が求められます。
- 美観性
酒造工場は、観光客が訪れる場合もあるため、外観の美観性にも配慮する必要があります。
建築デザインやカラーリング、照明などに工夫を凝らし、周囲の環境に調和した外観を
実現することが望ましいです。
以上の点に留意しながら、適切な外壁材料を選定し、専門家による施工管理を行うことが、
工場の外壁の設計・施工において重要です。
また、定期的な点検やメンテナンスを行うことで、安全性や衛生面、耐久性の維持を図ることができます。