気象庁の季節予報では、6~8月の気温は 平年並みか または高い見込みと発表されました。
今年の夏は、また気温が上昇したいへん暑くなりそうですね。
⇒ 気象庁 季節予報
工場や倉庫内の暑さについて、お困りの管理者・経営者の方も多いのではないでしょうか。
工場や倉庫内に設置されているエアコンも、
工場や倉庫内が広く全体に冷たい空気が行き渡るまでに時間がかかりますよね。
しかし、工場や倉庫の暑さを放置しておくことはできません。
工場や倉庫などの作業場で熱中症対策を怠ると、
従業員の健康被害や安全性の低下、生産性の低下、電気などの光熱費の上昇などが起こります。
生産性を維持するためにも、暑さ対策をして今年の夏に備えたいものですね。
工場や倉庫の暑さについて、エアコンなどに注目が集まりがちですが、
意外と盲点となるのは、屋根の暑さの伝播です。
今回は、工場や倉庫の屋根が暑くなる原因、そして対策についてご紹介します。
工場や倉庫の屋根が暑くなる 主な原因
太陽光による放射熱・輻射熱
工場や倉庫の屋根は、太陽光を受けて熱を吸収し、放射熱として室内に伝わります。
特に、屋根が直射日光を受けている場合は、熱が集中して屋根表面の温度が急激に上昇するため、
室内の温度も高くなります。
また、日差しで屋根が熱くなる現象は、輻射熱(ふくしゃねつ)と言いますが、
この輻射熱によって熱くなった屋根付近に暑さがとどまることで、室内の温度が下がらなくなります。
2階建ての建物で、2階が暑く感じるのはこの輻射熱が原因です。
熱の蓄積
屋根は、太陽光によって長時間照射されることが多いため、熱が蓄積されてしまいます。
そのため、日中の暑さが続く時間が長い夏場には、屋根の温度が上昇してしまい、
室内の温度も上がってしまいます。
風の影響
風が吹き抜けることによって、屋根の下に熱気がこもりにくくなります。
しかし、工場や倉庫などの屋根は、風が通りにくい場所に設置されていることが多く、
風の影響を受けにくいため、屋根の温度が上昇してしまいます。
これらの原因が重なることで、工場の屋根は非常に暑くなってしまいます。
それでは、暑くなりやすい工場や倉庫の屋根とは、どんな屋根でしょうか。
暑くなりやすい 工場や倉庫の屋根
屋根の色
屋根の色が暗い場合、太陽光を吸収しやすく、屋根表面の温度が上昇しやすくなります。
そのため、屋根の色はできるだけ明るい色にすることが望ましいです。
屋根の形状
屋根の形状が平らで、太陽光を受ける面積が大きい場合、放射熱が室内に伝わりやすくなります。
また、屋根に突起物がある場合は、風の影響を受けやすく、熱気がこもりにくくなるため、
屋根の温度が上昇しにくくなります。
屋根の種類
金属屋根や波板プレートの屋根は、夏場にはかなり高い温度になることがあります。
日本の夏の気温が30度以上に上がると、
直射日光を浴びる屋根の温度は50度以上に達することがあります。
特に、金属屋根は熱を吸収しやすいため、暑さが厳しい地域では、
屋根の温度が60度以上になることもあります。
金属屋根
金属屋根は、他の屋根材に比べて熱伝導率が高いため、太陽光を受けて屋根表面が暑くなりやすいです。
そのため、屋根の色が暗い場合や、屋根の形状が平らで太陽光を受ける面積が大きい場合には、
金属屋根でも暑くなりやすいと言えます。
ただし、金属屋根は軽量で、強度が高く、耐久性があるため、熱対策がしっかり施されれば、
暑さ対策をしっかり施した場合でも十分に使いやすい屋根材として利用されています。
波型スレート屋根
波型スレート屋根は、一般的に金属屋根や瓦屋根よりも断熱性能が低いため、
太陽光を受けると熱を吸収して屋根表面が暑くなりやすいと言えます。
また、波型スレート屋根は屋根の形状が平らでないため、屋根に突起物がある場合には風の影響を受けやすく、熱気がこもりにくいという利点があります。
屋根表面の温度上昇を抑えるためには、屋根に断熱材を施工することが望ましいです。
また、屋根の色が明るい場合には、太陽光を反射して屋根表面の温度上昇を抑えることができます。
施工時の暑さ対策が不十分な場合
熱が伝わりやすい金属屋根、断熱性能が少し劣る波型スレート屋根も、
工場や倉庫の建設時に、屋根に断熱材を施工することで、
屋根の熱の蓄積を防ぎ、室内の温度上昇を緩和することができます。
また、屋根に通気口を設置することで、熱気のこもりを防ぎ、風の通り道を確保することができます。
こういった施工時の暑さ対策が取れていなかった場合も、工場や倉庫が暑くなりやすいといえるでしょう。
このように、工場や倉庫の屋根の環境改善には、
以上の要因を考慮した上で、効果的な対策をとることが重要になってきます。
では、屋根の改修による暑さ対策とはどのようなものが考えられるでしょうか。
工場や倉庫の屋根 改修による暑さ対策
遮熱性の高い 屋根材 に取り替える
遮熱性の高い屋根材に変更することで、太陽光線を反射し、建物内部の温度上昇を抑えることができます。
例えば、遮熱塗料が施された屋根材には以下のようなものがあります。
セラミック系屋根材
セラミック系屋根材は、高い反射率と遮熱性能を持ち、屋根表面の温度上昇を抑えることができます。
また、セラミック系屋根材は、防火性能や耐久性にも優れているため、
火災の危険性が低く、長期間使用することができます。
メタルルーフィング
メタルルーフィングは、金属屋根の中でも遮熱性能が高い屋根材です。
薄い金属板を屋根に張り合わせることで、空気層を作り出すため、熱の移動を遅らせることができます。
また、メタルルーフィングは、軽量で、強度が高く、耐久性があるため、屋根材としても優れています。
熱反射型屋根シート
熱反射型屋根シートは、表面に特殊な塗料を施すことで、
太陽光を反射させ、屋根表面の温度上昇を抑えることができます。
さらに、屋根材によっては、遮音性能や断熱性能にも優れているものがあります。
遮熱性の高い 塗料 に塗り替える
遮熱塗料は、建物の外壁や屋根に塗布することで、太陽光線を反射し、
建物内部の温度上昇を抑える効果がある塗料です。
屋根を遮熱する方法として、施工の手間や価格から見て遮熱塗料を採用すると比較的手軽です。
例えば、遮熱性の高い塗料には、以下のような種類があります。
セラミック塗料
セラミックを主成分とした塗料で、太陽光を反射して屋根の温度を下げる効果があります。
セラミック塗料は、白色のものが多く、遮熱性能は高いですが、
塗りやすさや耐久性には注意が必要です。
シリコン塗料
シリコンを主成分とした塗料で、耐久性が高く、さまざまな色があります。
シリコン塗料は、太陽光を反射して屋根の温度を下げる効果がありますが、
遮熱性能はセラミック塗料に比べてやや低めです。
このような種類がありますが、遮熱塗料を使用することで、
建物内部の温度上昇を抑えることができるため、熱中症対策にも有効です。
最近では、遮熱に優れた効果を発揮する塗料が開発されています。
JAXAも採用するほどの効能の塗料などもあります。
屋根材や塗料の選定には、環境条件や施工条件、予算などを考慮して、専門業者に相談するとスムーズです。
遮熱シート を施工する
屋根の遮熱シートは、屋根材の上に貼り付けることで、太陽光線の反射率を高め、
屋根の温度上昇を抑えるためのシートです。
遮熱シートは、アルミ蒸着フィルムを基材にしており、
表面に特殊なコーティングを施すことで、高い反射率と遮熱性能を実現しています。
遮熱シートは、夏場の屋内温度上昇を抑えることで、快適な作業環境を提供するだけでなく、
冬場には屋根の内部の湿気を抑えることで、
屋根材の劣化を防止し、耐久性を向上させる効果も期待できます。
換気設備 を設置する
換気設備を設置することで、工場や倉庫内の空気の流れを改善し、熱を均等に分散させることができます。
これにより、屋根の温度上昇を防ぎ、工場内の温度上昇を緩和することができます。
さらに、工場内の暑い空気を外に排出し、新鮮な空気を取り込むことで
建物内部の空気を冷やすこともできます。
工場内の空気の循環を促進し、熱中症のリスクも軽減することができます。
屋根散水システム を導入する
屋根散水システムは、屋根や壁面に水をかけることで、
水分蒸発による気化熱によって空気を冷やし、周囲の気温を下げる方法です。
夏になると住宅の玄関先で水をまく打ち水をよく見かけますよね。
これは古くから気化熱を利用して涼をとるために行われています。
この打ち水と同じ方法を、工場や倉庫の屋根にも利用します。
コンピューター制御により少ない水量で効果的な散水ができ、省エネと快適な室温が期待できます。
このように、工場や倉庫の屋根の改修によって暑さ対策をとることができます。
ただし、屋根の改修には費用がかかるため、コストと効果のバランスを考慮した上で、
最適な方法を選ぶ必要があります。
トラブルを考えるとやはりプロに任せてしまうのが一番早く、一番安心です。
工場や倉庫の屋根のプロ、専門業者に相談し、よりよい暑さ対策を実施したいですね。
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